企画展「三島文学の舞台・映像の展開―『金閣寺』と『卒塔婆小町』―」

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金 閣 寺


 昭和31年に発表された「金閣寺」は、戦後文学の金字塔であるだけでなく、海外にも広く知られた傑作長編小説です。
 発表されて60年になりますが、読み継がれるとともに、さまざまなジャンルにおいて目覚ましい創作活動を呼び起こしてきました。早く新派が舞台に乗せ、次いで映画『炎上』(市川崑監督、市川雷蔵主演)、映画『金閣寺』(高林陽一監督)と映画化が相次ぎました。ドイツでは現地の方による脚本、黛敏郎作曲でオペラ化され、その曲は圧倒的な迫力を持ち、日本においても幾度となく上演されています。「金閣寺」はその他、舞踊(和・洋)化もされています。


卒 塔 婆 小 町(近代能楽集より)


 「近代能楽集」は、能を踏まえることにより、現代演劇に新しい可能性を切り開いた一幕物のシリーズです。その中でも人気があるのが『卒塔婆小町』です。これまで意欲的な演出家や俳優たちが、次々と斬新な舞台を作ってきました。特に小町役は、ベテランの女優ばかりでなく、平幹次郎、美輪明宏などの個性的な男優も技を競い合ってきています。
日本人作曲家によるオペラ化、舞踊化もされており、多様な表現活動を今もなお呼び起こしています。

 本展では、原稿や単行本ばかりではなく、映画化や舞台化、テレビドラマ化された時の台本やパンフレット、ポスターなど「金閣寺」および「卒塔婆小町」がいかに現在までにジャンルを越えて様々なかたちで拡がり受容されていったのか跡付けることができるでしょう。是非ご来館ください。

会期:2016(平成28)年5月24日(火)~2017(平成29)年5月14日(日)
会場:徳富蘇峰館・企画展示室

主催:山中湖文学の森・三島由紀夫文学館、山中湖村教育委員会